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チュートリアルタイム あとがき  
 この作品は『創作向け66のお題』を使用し、2005年4月から書き始め、実に3年の歳月をかけて、原稿用紙換算にしておよそ1000枚、全66話をクリアしました。
 お題に沿って、お題のセリフをラスト五行以内に使用するという制約を私が勝手に付け加え、一つの大きなお話を作ったわけですが、作品の出来うんぬんよりも、いまはとにかく最後まで書ききった自分を褒めてやりたいと思います。

 チュートリアルタイムは、私の書くものにしては珍しく、ほのぼのーとした世界観の作品でした。
 幅広い世代の方に読んでいただけたことが、とにかく励みになりました。ささいなことで一喜一憂する青春時代の恋心というものは、皆一緒なんだなあと、とても嬉しく思っていました。

 ラスト(65)と(66)の間には、四年という年月があります。(66)での秀平と類のやりとりで、どんなことがあったか何となく分かるように書いてみましたが、その辺は自由に想像してみていただけたなら嬉しいです。


 お題を作成してくださった東深珠さんに、心より感謝いたします。
 途中で配布されていたサイトを見失ってしまい、お題コンプリートのご挨拶にうかがうことができないのが、本当に残念です。
 東さんのお題が、チュートリアルタイムという物語のインスピレーションを私に与えてくれました。本当に、どうもありがとうございました。

 そして、現役高校教師にしてマイ幼馴染である佐倉花観さんにSpecial Thanksです。現場ならではの貴重な情報の数々、作品を書く上でとても役立ちました。




 ここから ↓ は、興味がある方だけどうぞ。









 今だから言える裏話。

 当初立てていたプロットと、実際に書いたラストは、まったく別のものでした。
 一番変化したのは「秀平と類の関係」です。
 当初は、秀平と梨緒子はちゃんとくっつく予定ではなかったんです。梨緒子と類はずっと付き合い続けていて、梨緒子は類の気持ちを知っているから、自分から別れを切り出せない。秀平も、北大合格を目指して勉強に没頭し、でも密かに梨緒子のことを思っていて、類の知らないところで、二人はメールのやり取りをして想いを募らせていく……みたいな感じでした。
 夏休みの札幌で。二人で天の川を見る場面までは、そういうつもりだったのです。でもあのシーンを書いていたら、普段クールな秀平が自分の気持ちを抑えられなくなってしまい、……結果的に類から梨緒子を奪うという形になりました。
 類と秀平は当初から犬猿の仲です。そりがとにかく合わない。
 しかし、ラストからも分かるように、秀平は、類にだけは自分のことを話せるんです。この二人、気は合うと思います。同じ女の子を好きになったのだから、おそらく好みは似ているんでしょう。

 個人的には「秀平と美月の関係」も好きです。
 恋愛感情ゼロの二人です。美月はしょっちゅう秀平の悪口言ってました。
 でもね、これでいいと思うんです。完璧な人間なんてこの世にはいないし、欠点のない人間なんて、つまらないですから。梨緒子にとっての『王子様』でも、美月にとっては『駄目人間』、それでいいんじゃないんでしょうか。
 逆に、梨緒子には友達にしか思えない類も、美月にとっては想いを寄せる男の子な訳ですから……ま、世の中そんなもんです。


 そして、決して忘れてはならないのが、この人。
 この話は、梨緒子と秀平のラブストーリーなのですが、そこにはやはり優作の存在があってこそ、です。
 優作がいなかったら、二人は結婚まで辿り着くことはなかったと思います。梨緒子はもとより、秀平のほうが恋愛経験値を積み重ねていけなかったと思うのです。

 だからこその、『チュートリアルタイム』――なのです。


 この作品が読んでくださった方の心に残るものであったなら、とても嬉しいです。
 そしてふと思い出したときに、また読んでみようかな――と感じていただける作品だったらすごくいいなあ、と思います。





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